2006年から2007年ごろ、ワーホリで渡航していたオーストラリアでは日本の捕鯨問題が大きく取りざたされていました。当たり前のことですが、日本では日本が悪くないように、オーストラリアでは日本が一方的に悪いと報道されていました。日本人としてどういった立場をとるべきか、私自身深く考えることもなく、多国籍な同居人たちとは、捕鯨問題について話すことはありませんでした。今考えると、みんな旅人ばかりだったので、あまり興味がなかったのかも。
そんな折、私は英語でのチャイルドケアに少しだけ興味を持ち、ボランティアでいわゆる保育所で働かせてもらっていました。子どもたちの英語は私にとってはわかりやすく、大人とのコミュニケーションよりも楽に感じたのを覚えています。
4歳から5歳くらいの子どもを主に見せてもらっていて、外国籍の子は一人だけ両親が韓国人の子がいました。15人くらいのクラスでしたが、あとはみんな生粋のオージーたち。
自由でこれといった規則はなく、外で遊ぶ時間と、室内で遊ぶ時間だけが決められていて、何をしても良い時間が多かったのですが、たまに絵本を読む時間を作ってもらっていました。もちろん自分の勉強のため。
聞きづらさもあったであろう、つたない本読みでしたが、子どもたちはとっても真剣に聞いてくれていたのが印象的です。
オーストラリアの保育所ではプレイリーダーと言って、保育所を卒業したばかりのお兄さんお姉さん(小学校1年生)が保育所にボランティアで遊びにきてくれるということがありました。
今もその制度があるのか、コロナ禍だし今はやっていないかもしれませんが。
私は外遊びで子ども用の小さな椅子に座って、子ども用の低いテーブルでみんなとパズルをしていました。すると、そのテーブルにドカッとその日のプレイリーダーの男の子が座って私に話しかけてきました。
日本語訳です。
男の子「自分さ、どこ出身なん?」
私「私日本やで?」
男の子「えー!!日本!自分らクジラ食うやん!きっしょーー!!」
(イラっ)顔にも出てたかも…
私「中〇人犬食うけどな!」
男の子ドン引きの顔で「OMG…」
わかってますよ。大人げないのは笑
オーストラリア、犬飼ってる家庭多いしね。
でもね、この頃、初めて外国で暮らしてみて、国籍アイデンティティとでも言いましょうか。日本人であることにすごく誇りを持っていたんですよね。
どこで働いても働き者と褒められ、仕事の飲み込みのスピードに驚かれ。
別に私すごく仕事できる人でもなんでもないから、普通に日本にいるときと同じように働いてただけなんですけどね。つまり労働者の労働力の水準が高いんだろうなと、日本ってやっぱすごいやんと。
だからあんまり捕鯨問題わかってなかったけど、なんかいらっとして言い返してやりたかったんですよね。これ、今考えればめちゃくちゃ大人げない。
でもね。これって親が、ニュースとか見ながら、うわ、日本人またクジラとってるやん。かわいそう。きもいなあ。日本人。とか、言ってるんでしょうね。そうでなければ、6歳やそこらでそんな発言しないでしょう?
これってどうなのかなと。まあ中〇人犬食べるで、とか言っておいてなんですが、中〇に限らず、アジアには犬や猫を食べる国もあるし、なんだって食料になるわけですから、なんでクジラだけそこまで攻められるんや?とは思いましたよね。
そんなこと、その親にキモイとか言われる筋合いないですよね。
私は動物大好きなので、もちろん、命をいただくということにいろいろ考えることはありますよ。高校では畜産学科に通っていたので、余計にね。大切にお世話していた動物が肉になるところも見たことありますしね。
モヤモヤモヤモヤとしていたところに、サウスパークというアニメで、ホエールワーというエピソードが!
このエピソード、いまだに私のお気に入りです。
シーズン13の11話です。
作者の方のうちのお一人が、元奥様が日本人だったりと、親日家だからというだけではなく、この頃のマスメディアの在り方や、他国の食文化に対してとやかく言う行為を、皮肉ったとても面白い作品でした。
天皇陛下や当時の鳩山首相もご出演です。
その後も時々捕鯨問題について、モヤモヤすることはありましたが、このエピソードを見て、心を落ち着かせていました。
牛、豚、鶏はしこたま食べているのに、クジラやイルカは賢い動物だからダメとか。ねえ。牛もめちゃくちゃ賢いですけどね?
ビーガンでもないので偉そうには言えませんが、どうでしょう、どの命なら食べていいとか誰が決めることなんでしょうね。
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